我が家には電子レンジがありません。
特にポリシーがあるわけではありませんが、電子レンジが壊れてから、どれにしようかと悩んでいるうちに一ヶ月が経ち、夫婦で「ひょっとして電子レンジって必要ないかも」と気づいて今に至ります。
最後の電子レンジが壊れてからもう一年近くなりますが、電子レンジを使わない料理をして毎日食べていると、食材本来の美味しさが身に染みて(舌に染みて?)わかり、とてもじゃありませんが、「レンジでチンして」≒「食材をぶっ壊して」食べる気が起こらなくなりました。
結論から言いますが、電子レンジを使うと食生活は確実に不味く貧しくなります。
電子レンジのないスローフードで豊かな食生活を楽しみましょう。
■電子レンジの仕組み
●水分子を振動させて中から加熱する
まずは、簡単に電子レンジの仕組みを説明します。電子レンジは交流電流の+-極が一秒間に50~60回入れ替わる性質を利用し、水分子を強制的に振動させて発熱させます。
上の図は水分子を模式図にしたものですが、水分子のマイナスの中心はマイナスイオンの酸素原子の中点、プラスの中心はプラスイオンの水素原子二つの中点となり、プラスとマイナスの位置がずれています。
電極を入れ換えることで、水分子のマイナス極は電子レンジのプラス極に、水分子のプラス極は電子レンジのマイナス極に引きつけられます。
これにより、水分子は振動し発熱するのです。
つまり、通常の加熱が表面から温めるのに対して、電子レンジで食品を温めるとは中から温めることになり、これが原因でさまざまな「食品を不味くする」問題が起こるのです。
■電子レンジのダメなところ
先の項目で説明した、電子レンジが「中の水分子を温める」ことに起因した、さまざまな問題は次のようになります。
●食品の細胞膜を破壊して不味くする
食品は生物(動物または植物)ですから、小さな細胞の集まりです。そして、細胞は細胞膜と呼ばれる薄い膜で包まれており、その形を維持しています。
電子レンジで強制的に細胞の中から温めると、食品の細胞は一気に全てが膨張し、体積の逃げ場のなくなった細胞は、細胞膜が破れて破裂してしまいます。
こうなると、旨味成分でもある細胞の内容物は、一気に食品外に流失してしまいます。
電子レンジで食材を温めると、お皿に水分が出ますが、それは細胞が破壊された証拠です。
●ビタミン類が壊れる
食材には、タンパク質・脂質・炭水化物の三大栄養素のほかにも、健康に大切な微量成分であるビタミンが含まれています。
ビタミンのなかには加熱によって壊れてしまうものがあり、通常の加熱では食品のなかの方は破壊を免れるのですが、電子レンジの場合は中から加熱されるため非常に多くのビタミンが壊れてしまいます。
鍋などで作った料理と、電子レンジで作った料理では「見た目は同じでも栄養が違う」料理になってしまうのです。
●そもそも味が変質する
食材のなかに含まれるタンパク質は、50度弱の温度で熱変性を起こし固まります。
通常の加熱では、熱変性を起こさずに柔らかいままの部分が残りますが、電子レンジの加熱では、中から全面的に50度を越えてしまうので、ほとんどのタンパク質が熱変性を起こして固まってしまいます。
これでは、美味しいわけないですよね。
■電子レンジの代用
ここからは、これまで皆さんが電子レンジで行っていた「食品を不味くする行為」のかわりになる方法や道具をご紹介していきます。
●冷凍食材は自然解凍の一択
冷凍食材を利用する機会も多いと思いますが、その解凍は自然解凍が一番です。
食事メニューは一日から半日前には決め、あらかじめ食材は冷蔵庫または常温で解凍しましょう。
電子レンジの解凍は、食材の破壊解凍です。
●基本は鍋やフライパンで温める
料理を美味しく作る基本は、電子レンジは使わずに鍋やフライパンで加熱して作ることです。
こちらのような、鍋、フライパン、深型パン、蓋がセットになったシステムキッチングッズは非常に便利で、ほぼ全ての料理に対応できます。
美味しい料理を作りたいのなら、まずは揃えておきたいですね。
●鍋とザルで簡易蒸し器にする
鍋やフライパンで対応できない調理方法が蒸し加熱ですが、簡易的に蒸すのなら、鍋のなかに金属製のザルを入れて、簡易の蒸し器にすることも可能です。本格的に、でも手軽に蒸し加熱をしたい方におすすめなのが、こちらの電気スチーマーです。
単なる温めにも使えて便利ですよ。
正直、電子レンジの温めよりは手間ですが、食品を表面から優しく温めるので、食材の美味しさが失われません。
●そもそも良い食材は冷めても美味しい
そもそも論にはなりますが、良い食材やそれらを使って作った料理は、冷めても美味しいものです。
もっと言えば、いわゆる高級食材の料理などは、アツアツだと風味が感じられませんので、ちょっと冷めた常温くらいが美味しいものです。
何でもかんでも、チンチン温めて、食品を駄目にするのはもうやめましょう。
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