ザリガニ釣りのやり方=仕掛けタックルの作り方、エサの選び方、たくさん釣れる生息場所や時間帯などを解説します。
ザリガニ釣りは、釣りと名のつくアクティビティのなかでも、最も多くの方が子供の頃に経験し、またお子さんたちと再びチャレンジすることのある釣りです。本記事を機に懐かしい遊びを思い出してはいかがでしょう?
また、あわせてワンランク上のフィッシィングゲームとしてのザリガニ釣り=ザリガニングのタックル(ロッド・リール・ライン・ワーム)についても解説します。
■ザリガニとはどんな生き物?
●一般に見られるのは全て外来種のアメリカザリガニ
アメリカザリガニ (Procambarus clarkii)は、十脚目アメリカザリガニ科に属する淡水性甲殻類の一種です。アメリカ合衆国南部のミシシッピー川流域を原産地としていますが、日本には食用ガエルのエサとして持ち込まれ、それが帰化して全国的に広がった外来種として知られています。
よくある誤解に「茶色がニホンザリガニで赤色がアメリカザリガニ」というものがありますが、これは全くの誤りで、ニホンザリガニ(Cambaroides japonicus)は、冷涼な環境の北海道の湿原、または東北の渓谷にしか生息していません。
ですので、本州以南の平野部や市街地周辺で見られるザリガニは、全てアメリカザリガニです。
■ザリガニの生息場所
●富栄養の流れの穏やかな浅い水域
ザリガニは雑食性で生命力が強く、いたるところで見られますが、あまり水がきれいな場所や流れの速い水域には多くありません。
また、意外と酸欠に弱い種類なので、深い水域にもあまり生息していません。
用水路やため池など、栄養が豊富で、浅くて流れの穏やか、または止水域に多く見られます。
■ザリガニが釣れる時間帯
●夜行性なので朝夕が狙い目
ザリガニは基本的に夜行性の生き物です。ですので、日中は物陰に隠れて休んでいることが多く、とくに真昼はエサもあまり探したり食べたりしません。
このため、ザリガニ釣りをするならば、まだザリガニが活発な時間帯である朝方か夕方が適しています。
■ザリガニ釣りの仕掛け
●竹の棒+タコ糸+エサ
ザリガニ釣りの仕掛けはいたってシンプルです。長さ1m程度の竹の棒などを釣竿として使用します。
特に素材にこだわる必要はないですが、小さなお子さんなどには、なるべく軽い素材のものが扱いやすいでしょう。
釣糸には、家庭にあるタコ糸などを使用します。長さは釣り場所にもよりますが、2~3mもあれば十分です。
●エサはスルメがベスト
エサは、魚介系の食べ物ならば何でも食いつきますが、長時間ふやけずに匂いをだし続けることから、やはりスルメイカの干物がベストです。
■ザリガニ釣りのポイント
●ゆっくり引き上げネットで受ける
ザリガニ釣りは、釣りと言っても通常の釣りとは違い、針にザリガニを掛けるわけではなく、ザリガニがハサミでエサをつまんだ状態を利用して釣り上げます。
ですので、慌てて素早く糸を引くと、ザリガニが驚いてエサを離してしまいます。このため、いかにゆっくりとザリガニに気づかれないように糸を引いてくるかが最大のポイントになります。
また、もっとも逃がしやすいのが、ザリガニを水中から水面に引き上げる時です。
水面に引き上げる時は、下からネットで受けて逃がさないようにしましょう。
こちらが、実際のザリガニ釣りの様子です。やはり、最後はネットで受けるのが大切ですね。
■おすすめのザリガニ釣りセット
●オールインワンのものが手軽
こちらは、ザリガニ釣り専用のエサに、糸とエサを挟むクリップがオールインワンのセットになったものです。
あとは、手頃な棒さえ用意すれば、すぐにザリガニ釣りが楽しめて便利です。
■ワンランク上のザリガニ釣り
●フィッシングゲームとしてのザリガニング
ザリガニ釣りはエサのスルメさえあれば、小さなお子さんでも楽しめる釣り遊びですが、ソフトルアーのワームを使って楽しむことも可能です。
近年、アジのルアー釣りを「アジング」、メバルのルアー釣りを「メバリング」、イカの餌木(えぎ)釣りを「エギング」と称して、ゲームフィシィングとして盛んですが、アメリカザリガニもルアーを使って釣れば、ゲームフィシィングの「ザリガニング」として楽しめるのではないでしょうか。
■ザリガニルアー釣りの仕掛けタックル
●おすすめのロッド・リールセット
ザリガニのルアー釣りにおすすめのタックル=ロッド+リールのセットが、こちらのような超コンパクトタイプです。
本来、テトラポッドの隙間のハゼ釣りなどに使われるものですが、竿の長さが伸ばすと3フィート(1m弱)とザリガニングにぴったりです。
●おすすめのワーム
ザリガニのルアー釣りにおすすめなのが、こちらのような「匂いつき」のワームです。ワームにはさまざまな形状がありますが、ザリガニが挟みやすく離しにくいという観点から、尻尾が広くて掴みやすいカーリーテールタイプが最適でしょう。
■ザリガニを釣ったら
ザリガニは日本の生態系に悪影響を与える外来生物です。釣ったらその場所に離すか、持ち帰る場合は最後まで責任を持って飼いきりましょう。決して他の水域に放流しないでください。