栄養満点の健康昆虫食代表「蜂の子」
その他、蜂の子の歴史や栄養価等についても詳しくご紹介。クリーミーでモチモチ食感の蜂の子、「蜂」はこの幼虫だけでなく、サナギや成虫も食べることができます。しかしそれはまた次の別の機会に。栄養満点の究極健康食「蜂の子」。是非一度ご賞味あれ。
「蜂の子」とは?
蜂の幼虫の総称。サナギや成虫も「蜂の子」と呼ばれる場合もある
「蜂の子」とは、クロスズメバチやミツバチ、アシナガバチなどといった食用になる蜂の幼虫の総称です。幼虫・サナギ・成虫を全てひとくくりに「蜂の子」と呼ぶ場合もあります。愛知県や長野県、岐阜県などを中心に古くから食されており、その食べ方も実に様々。炊き込みご飯や素揚げ、佃煮、甘露煮、そして生食まで…かつては日本人にとっての貴重な蛋白源として重宝していたそうです。
ミツバチの場合、主に市場に出回る蜂の子は基本的にはオスになります。メスは蜂蜜やローヤルゼリー収集等の養蜂産業においてとても重要な存在だからです。せっかく蜂蜜を集めてくれる働き蜂をあえて食べる必要もありませんよね。
また、蜂の子の代表種とも言えるクロスズメバチですが、彼らは地中に巣を作ることから「地蜂」とも呼ばれています。地中にある巣をどうやって見つけるのか…それは「蜂追い」を行います。
「蜂追い」とは字のごとく、「蜂を追いかけて巣を特定する」という伝統的な狩猟方法のことです。蜂に目印を付けて飛ばし、その後を追いかけることで巣を見つけるわけですね。えらく大胆なストーカーです。見付けた巣は、蜂を仮死状態にする煙幕を使用した後に回収されます。ここで変な薬を使用すれば、その後人が食べられなくなりますからね。この有名な蜂追いは度々テレビなどでも取り上げられているため、ご存知の方も多いのではないでしょうか?
「蜂の子」の栄養価とその歴史
中国最古の薬学書にも記載されている、多くの効能を持つ栄養豊富な健康食
「蜂蜜」、「ローヤルゼリー」等、蜂に関連する食品はどれも栄養価が高いような印象を受けますが、この蜂の子も例外ではありません。タンパク質が非常に豊富な上、各種ビタミンやミネラル、更には人の体内で合成することができない必須アミノ酸も多く含有しています。約2000年前に著された中国最古の薬学書「神農本草経」にもこの蜂の子は記載されており、それによると頭痛や内臓障害改善などに効果があるとされています。その他蜂の子には疲労回復や滋養強壮などの効能もあり、また近年の研究においては難聴や耳鳴りなど「耳」に関する病に効果があると期待されているそうです。
古くから知られる貴重なタンパク源
近い未来、世界をまたにかけた深刻な食料不足問題が発生してくると言われています。そうなった時、蜂の子を始めとした昆虫食が再び貴重なタンパク源として注目されてくるかもしれませんね。今の内に慣れておいたほうがいいかも…!?
「蜂の子」料理の実食レポート
砂糖としょうゆで味付けされた蜂の子缶詰め。白米にぴったり!?
さてそれでは実際に、蜂の子の缶詰を食していきたいと思います。こちらの缶詰は伝統的な味付けが施されている物であり、甘辛く、開けてそのまますぐに食べることができます。では早速勇気を出して開封していきましょう…。
「すがれ」、「へぼ」とも呼ばれる蜂の子
中身がこちら。なんとも…食欲をそそらない外見です。まんま幼虫。そしてよくよく見てみると、幼虫の中には若干名サナギになっているものも混入しています。いや特に嬉しくはない仕様です。しかし匂いを嗅いでみると、なんとも美味しそうな甘い香りがするではありませんか。
中にはぎっしりと蜂の子が詰められていた
一匹一匹は思っていたよりも小さめです。しかし形はそのままキープしていますね。そして、意外にも缶みっちみちに蜂の子が入っています。いや普段なら嬉しいのですが、もっと少なくても…よかったよ。「蜂の子の甘露煮は白米に合う」という話でしたので、今回はホカホカご飯もご用意しました。さて気になる味は…?
気になるそのお味は?
モチモのチぷちぷち。白米にもぴったり!
モチモチのぷちぷち食感
さてお次は、白米とのコラボといきましょうか。
濃い味付けはご飯にもぴったり!
うん…味付けが濃いためか、やはり白米にもばっちり合いますね!色とフォルムが若干お米にも似ているような?ぷちぷちモチモチとしたお米…そう、例えるのならば玄米に食感が似ているような気もします!これは将来期待できる昆虫食となりそうですね。いつしかお米の代わりに山盛りの蜂の子を食べる日が来るかも…?皆様も是非一度ご賞味あれ!