会社が乗っ取られた|管理職10名左遷からの経営者更迭


僕が実際に勤務している、衰退して潰れそうな地方中小企業の破綻への経過を、現場から実録してご紹介します。

今回は、その第一回で、会社が傾いていくきっかけになった出来事のお話です。

僕が勤務している会社は、地方中小企業ながら、全国的にも名がしれており、会社がある地方都市のリーディングカンパニーとして知られていました。

地元では、その会社に勤めていると一目おかれ、経済的にも安泰という感じにとらえられており、実際に社員としての給与待遇も公務員に準じるものでした。

しかし、破綻へのスタートはある日突然にやってきました。

きっかけは、創業者社長の個人的な投資失敗からの負債、そして大半を所有していた会社株式の売却でした。

株式を買収した地元有限会社は、この機を見逃すはずがありませんよね。

創業者社長は引退→名誉職になり、その息子さんが新社長に任命されました。

当然、これらを決めたのは株式を買収した新筆頭株主ですが、まだまだ表にはでてきません。

そんなことで、新社長就任直後、僕たち全社員が集められ、唐突に新しい配属表を配られました。

正直、目を疑いましたね。

結果として事業縮小された部署の管理職10名近くは、駐車場整理やら外構整備の平社員に左遷。

年配の女性社員は社内とトイレの清掃係に異動。

いわゆる、肩たたきというやつですね。

半年もたたず、理不尽な左遷・異動を受けた先輩社員たちは辞めていきましたが、一部、それでも辞めない方々もいました。

辞めずに粘っていた方々の一部は契約社員としての雇用継続に渋々同意、最後まで抵抗していた二名は、なんだかんだと理由をつけられ解雇になりました。

会社買収の仕組みを理解している一部社員を除き、ほとんどの社員の怒りは新社長に向きました。

ほんとは、表に立たされているだけなのに、お気の毒ですよね。

結局、このリストラで150人いた社員は100人になりました。

三人に一人がいなくなる、異常事態ですよね。

その後、残った100人は一万円ほど昇給し、なんとなく不満の声も消えていきました。

そして、リストラから半年後、新社長はなんだかんだと理由をつけられ解任となりました。

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