エギングはイカ(主にアオリイカ・スルメイカ・ヒイカコウイカなど)を餌木(えぎ)と呼ばれる日本古来のルアーを使って行う釣り方です。エギングの最大の魅力は、他のつりと違い、ロッド・リール・ライン・餌木(えぎ)さえあれば、すぐに釣りが楽しめることです。
初心者の方のために、そのタックル…仕掛けや道具(ロッド・リール・ライン)をご紹介するとともに、釣れる時期や時間帯を解説します。
■エギングで釣るイカの種類
●アオリイカ・コウイカをはじめヒイカ・ヤリイカなど
エギングで釣る対象となるイカの種類は以下の通りです。
◯アオリイカ:北海道~沖縄にかけて広く分布し、エギングのメイン対象とる種類です。
◯コウイカ:関東以南に分布し、産卵期には簡単に釣ることができます。
◯ヤリイカ:北海道以南に分布し、産卵期にエギングの対象となる種類です。
◯ヒイカ:北海道以南に分布し、小さめの餌木でのエギング対象となります。
◯ケンサキイカ:関東以南に分布し、ややエギング対象としては難易度の高い種類です。
◯スルメイカ:北海道~九州にかけて広く分布し、やや難易度の高いエギング対象です。
本記事では、初心者でも釣りやすいアオリイカのエギングを中心として解説していきます。
さらに詳しく以下に関して調べたい方は、下記のイカ図鑑をご参照ください。
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【釣りのイカ図鑑】分布・生息環境とエギングに適した季節時期と時間帯を解説
■エギングのおすすめロッド
●8~9フィートのロッドを使用する
エギングでは、アジングやメバリングに比べてルアー(餌木・えぎ)を遠くに飛ばす(遠投する)必要があることから8~9フィート=2.5m~3mの長さがあるロッド(竿)が必要になります。上のロッドは初心者のエギングデビューにおすすめの、リーズナブルながらしっかりとした作りのメーカー品8.6フィートロッドです。詳細はリンク先でご確認ください。
■エギングのおすすめリール
●中型スピニングリールを使用する
エギングでは、ロッドのサイズがアジングやメバリングよりも一~二まわりほど長くなるので、リールもワンサイズ上の中型スピニングリールが必要となります。上のようなリーズナブルな中型スピニングリールが初心者の方にはおすすめです。詳細はリンク先でご確認ください。
■エギングのおすすめライン
●道糸と太めのショックリーダーを併用する
エギングに使用する釣り糸(ライン)の太さはPEライン0.6~0.8号あたりが妥当です。この道糸の先に、0.5~1mのショックリーダーと呼ばれる太目のラインを使用します。これは、先端部分のラインが海底の障害物に摩擦して、ラインブレーク(釣り糸が切れる)を起こすのを避けるためです。
ショックリーダーにはナイロンラインの1.5~2.0号を使用するのが一般的です。
なお、こちらの動画は釣り糸同士を結ぶときの「電車結び」と呼ばれる結び方がわかりやすく解説された動画です。是非ご参照ください。
■エギングの基本的な仕掛け
●ロッド・リール・ライン・餌木(えぎ)だけでOK
冒頭にも述べましたが、エギングはロッド・リール・ライン・餌木(えぎ)という最低限のタックルだけで楽しむことができます。
上の図を参考に、エギングタックルを組み合わせて仕掛けを作ってください。
■餌木(えぎ)の構造と色の使い分け
●目玉・はね・おもり(シンカー)・かんな(フック)でできている
餌木(えぎ)の構造は比較的シンプルで、目玉・はね・おもり・かんなから構成されています。それぞれの働きは下記の通りです。
○目玉:餌木(えぎ)はそもそもエビや小魚に見せかけた擬似餌ですが、イカは視力・認識力の高い生物ですので、目玉があったほうが本物のエビや小魚に見えやすく、圧倒的に有利・効果的です。
○はね:着水から沈下・着底までの速度を緩やかにしたり、ロッドアクションにより手前に急激に寄るのを防ぐブレーキの役目をしています。また、泳がせるときにクルクルと回転するのを防ぐスタビライザーの役割もあります。
○かんな:実際にイカを引っ掛けるフックの部分です。基本的に二連スタイルですが、ヒイカ用などの小型の餌木(えぎ)ではシングルタイプもあります。
○おもり:シンカーで1.5号~3.5号がエギングの一般的な重さです。なお、エギングの対象となる以下の種類による適正なサイズは下のようになります。
・3.0号~3.5号:アオリイカ/コウイカ
・2.5号~3.0号:ケンサキイカ/スルメイカ
・1.5号~2.5号:ヤリイカ/ヒイカ
●地味系・派手系・蛍光系を状況により使い分ける
餌木(えぎ)の色(カラーリング)には地味系~派手系~蛍光系のバリエーションがあり、海の状況や光の状況(日中か夜間か・月夜か暗闇か)などによって使い分けていきます。
透明度の高い海水環境や日中は目立ちすぎない地味系を、濁り水の日中や明るい月夜は派手系を、暗闇に近いような状況では蛍光系を使っていくのが一般的です。
初心者の方は、まずはこちらのような餌木(えぎ)の各食が揃えられたセットを入手し、実際にエギングをしながら色の使い分けを経験的に覚えていくとよいでしょう。
初心者におすすめのエギのご紹介は下記の記事にまとめました。
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【初心者におすすめの餌木(えぎ)最新一覧】各種エギングメーカー品をカタログ形式でご紹介
■エギングのおすすめタックルセット
●初心者向きのオールインワンセットがおすすめ
ここまでは、エギングに使用するロッド・リール・ライン・餌木(えぎ)それぞれについて解説してきましたが、実際に初心者の方が釣具屋さんに行き、すべてをチョイスするのはたいへんです。そこで、おすすめなのが初心者用エギング入門セットです。
このようなセットなら、とりあえず間違いのないものがセットされていますので、入手してすぐにエギングにチャレンジすることができます。そして、続けるのならば、一つずつ、こだわりのタックルに買い換えていくとよいでしょう。
下記の記事は、初心者におすすめのエギング入門セットをまとめた記事です。メーカー品のセットから格安。激安セットまでご紹介しています。また、最近急増中の「エギング女子」におすすめなフェミニンなエギングセットも収録しています。是非ご活用ください。
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【エギング入門セット】初心者&女子におすすめの格安・激安オールインワンアイテムをご紹介
■エギングに適した時期と時間と深度
●イカの種類ごとのエギングに適した季節時期
エギングの対象となるイカは、種類によって産卵期などの時期が異なります。また、地域によっても水温差などで釣れる時期はまちまちです。種類と地域ごとのおおよそのエギング最適期を下記に例示しますのでご参照ください。なお、年度などによっても時期はずれますので、お近くの釣具やさんなどで最新の情報を入手することをおすすめします。
○北海道・東北
・アオリイカ:8/9/10月
・ヤリイカ:1/2/3/4/5/11/12月
・ヒイカ:1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12月
・スルメイカ:7/8/9/10月
○関東・東海
・アオリイカ:4/5/6/9/10/11月
・ヤリイカ:1/2/3/4月
・ケンサキイカ:3/4/5/6/7/8/9/10月
・ヒイカ:1/2/3/4/5/6/9/10/11/12月
・スルメイカ:4/5/6月
・コウイカ:3/4/5/9/10/11/12月
○関西・四国・中国
・アオリイカ:3/4/5/6/9/10/11/12月
・ヤリイカ:1/2/3月
・ケンサキイカ:3/4/5/6/7/8/9/10月
・ヒイカ:3/4/5/6/7/8/9/10/11/12月
・スルメイカ:3/4/5月
・コウイカ:1/2/3/4/5/9/10/11/12月
○九州
・アオリイカ:1/2/3/4/5/6/9/10/11/12月
・ヤリイカ:1/2月
・ケンサキイカ:7/8/9/10/11/12月
・ヒイカ:1/2/10/11/12月
・スルメイカ:1/2/3/4/5月
・コウイカ:1/2/3/4/5/9/10/11/12月
●昼間でも釣れる種類と夜間しか釣れない種類がある
イカは基本的には夜行性の強い生物です。ですので、エギングの基本は夕方から夜間にかけてになりますが、種類によっては朝から日中にかけても釣れるものもあります。もちろん、日中に釣れる種類でも、やはり夕方から夜間にかけてが、より活発に釣れます。
種類ごとの釣りやすい時間帯は以下の通りです。
○日中も釣れる種類:アオリイカ・ヒイカ・コウイカ(夜間のほうがよく釣れます)
○夜間に釣れる種類:ヤリイカ・ケンサキイカ・スルメイカ(日中でも釣れることがあります)
●深度によって釣れる種類が違う
また、イカは種類によって生息深度が異なるため、種類に合わせて餌木(えぎ)を泳がせる深度を調整する必要があります。イカの種類によるおおよその生息・エギング深度は以下の通りです。
○表層:ヤリイカ・ヒイカ・ケンサキイカ・スルメイカ
○中層:アオリイカ
○底層:コウイカ
■エギングの基本的な釣り方・動画
●まずはイカのいるポイントを知る
エギングで釣果を出すためには、まずはイカの好む環境を知らなければいけません。イカの好む環境とは、ずばり、「外灯など光の周り」「防波堤沿い」「藻場周辺」「岩礁周辺」です。
堤防つりの場合は、「外灯など光の周り」「防波堤沿い」を狙い、浜釣りの場合は、「藻場周辺」「岩礁周辺」を狙うとよいでしょう。
●餌木(えぎ)をキャスト・フォール・アクションさせる
餌木(えぎ)にイカをアタックさせてフックするためには、次の一連の動作が必要になります。
①餌木(えぎ)をキャストする(投げる)。
こちらが、エギングのキャスティングに関して詳しく解説されている動画です。ご参照ください。
※必ず後方に人がいないか確認してから振りかぶり、地面に対して60度前後でロッドを止めるとよく飛びます。
②餌木(えぎ)をフォールする(着底させる)。
餌木(えぎ)の沈降速度は重さ・号数によっても変化しますが、1mあたりおよそ5秒前後で沈下します。着底すると、張っていたラインが緩みますので、それがサインとなります。
③餌木(えぎ)をアクションさせる(引く)。
アジングと同じく、餌木(えぎ)をトウィッチアンドフォール(水中で上下動させながら巻き上げるアクション)するのがエギングでも基本アクションとなります。また、産卵時期のイカに対しては、産卵床付近をズル引き(ただ巻き)するほうが効率よく釣れます。
こちらが、初心者向きのエギングアクションの解説動画です。是非ご参照ください。
それでは、素敵なエギングライフを!