【クリスマスアカガニ】島を赤く埋め尽くす集団産卵が凄すぎる



インド洋のクリスマス島の固有種で、数千万個体がいっせいに集団産卵することで知られるクリスマスアカガニについてまとめました。凄すぎる集団産卵の動画もありますので、必見の内容です。


■クリスマスアカガニの分布と特徴





クリスマスアカガニ(Gecarcoidea natalis)は地上性のカニで、オカガニ科に属しています。インド洋に浮かぶクリスマス島およびココス諸島の固有種で、特にクリスマス島には生息数が多く、推定で数千万個体が生息しているとされています。その繁殖期の集団移動と集団産卵は世界的にも有名な同島の観光名物にもなっています。



産卵期の雨季(10~11月)になると、熱帯雨林に暮らすクリスマスアカガニは海に向かい移動を始めます。小さな集団は海に近づくにつれ徐々にその規模を増していきます。



どんどんと集団は大きくなり…

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写真:2il.org

やがて、島の大地は真っ赤に埋め尽くすされていくのです。




こちらがクリスマス島の拡大地図です(南緯10度30分・東経105度40分)。クリスマス島 はオーストラリアの領土で、西オーストラリア州・パースから北西におよそ2360kmに位置しています。同島の面積は約136km²あり、その60%以上が国立公園に指定された熱帯雨林となっています。

【クリスマス島グーグルマップ】

■クリスマスアカガニの生態


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地上性カニ類に共通の特徴として、鰓の乾燥をふせぐために直射日光をさける性質があります。ただし、昼行性なので熱帯雨林の日陰を中心に活動をしています。乾燥を防ぐために一匹一匹が自分の巣穴を持っており、乾季には巣穴の入り口を塞いで雨季のまでのおしょそ3ヶ月を巣中で過ごします。産卵期以外は単独性で群れることはありません。

食性は雑食性で、主に落ち葉・果実・花・子葉などを食べます。本種はかつては現在ほどの個体数はいませんでしたが、天敵であるクリスマスクマネズミが1903年に絶滅して以降、爆発的に増加しています。

■クリスマスアカガニの集団産卵動画



まずは、こちらの動画をご覧ください。森から少しずつ集まったクリスマスアカガニが徐々に群れを大きくしながら海へ向かう様子がわかります。


そして、大群をなして集まったクリスマスアカガニは下弦の月の満潮時になるといっせいに産卵をはじめます。



海に産み落とされた卵はすぐに孵化し、その後、3~4週間の幼生期を海で過ごしたのち稚ガニになると、再上陸しいっせいに熱帯雨林へとむかいます。

数え切れないほど産み落とされた卵は、その大部分が幼生期に海中生物の餌となり、再上陸後も熱帯雨林にたどり着くまでの道中でほとんどが捕食生物の犠牲になり、森に戻れるのはほんのごく一部です。