カルシウム豊富な健康昆虫食!
その他、イナゴの歴史や栄養価等についても詳しくご紹介。カリカリとした歯応えがエビを連想させ、甘露煮特有の甘辛い味付けによりイナゴの臭みはほとんど感じられません。ご飯のお供にもってこいの有名な昆虫食「イナゴ」。是非一度ご賞味あれ。
「イナゴ」とは?
稲を食べる害虫が全国規模で食される有名な昆虫食に!?
日本を支えてきた有名な昆虫食イナゴ
「イナゴ」とは、直翅目・イナゴ科に属するバッタの総称で、古くから農作物(主に稲)を食べる害虫として知られています。しかし、当時の日本においてこのイナゴは貴重なタンパク源でもあり、害虫として駆除されたものをそのまま佃煮などにして食していたそうです。日本中で稲作が行われていたということは、そこにイナゴも現れるということ…今でこそ珍味として扱われているイナゴですが、かつては全国規模で食べられていた日本を代表する(?)昆虫食だったのです。
「イナゴ」と言えば一般的に、コバネイナゴとハネナガイナゴの総称として扱われていますが、北海道を始めとする寒冷地には通常のイナゴよりも小振りなイナゴ「通称:エゾイナゴ」が生息しています。しかしこのエゾイナゴ、正確にはコバネイナゴの寒冷地型なのだそうです。成虫は秋に発生し、その後産卵。そしてこの卵のまま冬を越し、春に幼虫が孵化します。ちなみに、ときおりニュースなどで取り扱われる「大群の飛来」ですが、これはイナゴではなくトノサマバッタの一種になります。
「イナゴ」の栄養価とその歴史
今でも愛されている、食糧危機を救った高栄養価の昆虫食
肉にも勝るタンパク量を誇るとも言われている「昆虫食」。やはりその特記すべき栄養価はタンパク質ですね。しかし、それ以外にも様々な栄養素を含んでいます。基本的に昆虫食として知られる昆虫たちは、特に殻を向いたりせずそのまま食べる事がほとんどです。「外骨格」と呼ばれるこの殻には、カルシウムが豊富に含まれています。イナゴ特有のカリカリ食感を生み出しているのもこの外骨格のおかげですね。その他にもこのイナゴには、ビタミンA・B・Eや鉄分、銅、亜鉛などが豊富に含まれています。
稲につく害虫も貴重なタンパク源に
今は肉や魚をはじめ、様々な高品質のタンパク質が当たり前のようにとれる時代ですね。しかし、貧しい頃の日本ではそのような贅沢品はあまり食べることができませんでした。特に戦時中や終戦後の食糧難時においては、このような「昆虫食」が貴重なタンパク源となったそうです。古くから稲作を行なっている日本では、その稲につく害虫であるイナゴも食料としていました。
こうした文化は根強く残り、今でも信州を始めとした一部地域で郷土料理として食されています。揚げる、炒める、焼くなど様々な調理法がありますが、その中でも一番有名なのはやはり砂糖や醤油等を使って甘辛く煮詰めた「佃煮」ですね。作り方もいたってシンプルです。
まず秋に発生するイナゴを集めたあと、数日間放置して糞を出させます。その後硬く食感の悪い後ろ脚や羽を取り除き、お湯もしくはお茶で茹で上げます。そして砂糖と醤油を入れ、さらに数時間煮詰めていけば完成です。
「イナゴ」料理の実食レポート
砂糖としょうゆで甘辛く味付けされたイナゴの缶詰め
さてそれでは実際に、イナゴを食していきたいと思います。今回用意したのは、予め佃煮として調理されものの缶詰です。缶詰自体は若干小振りですが…きっと中にはそれはもう沢山のイナゴがひしめきあっているんでしょうね。前回の蜂の子缶詰で学習しました。それでは開封。
ひしめきあうイナゴたち
はい、期待(?)通り沢山のイナゴがひしめきあっております。昆虫はいくら煮詰めてもその形を崩すことはないのでしょうか?しっかりとしたシルエットをそのままに登場していますね。
シルエットはそのままに登場!
後ろ脚が付いたままですが大丈夫なのでしょうか?しかし特にこれといったトゲは付いていなさそうなのでそのまま食べることができるということなのでしょう。サイズ感はまちまちで、大きいものもいれば小さいものもいます。大きいのはやはりなかなか勇気が出ませんね。
気になるそのお味は?
まるでエビのようなサクサク食感。白米にもぴったり!
エビのような食感に甘辛い味付けが良い!
おお!やはり美味しい。舌で転がすと形が丸わかりなので早々噛み砕きます。奥底の方でかすかな苦みを感じますが、全く嫌な感じではありませんね。これは白米にも合うはず!
確かに合うが、食感が少し…
お米と一緒に食していきます。うん、確かに美味しい…しかしなんというか、少しトゲトゲしすぎてなんか違和感があります。これはもしかするとそのまま食べたほうが美味しいのかもしれない。蜂の子に加え無事にイナゴを食すこともできました。昆虫食に対する抵抗が少しづつではありますが無くなってきていますね!皆様も是非一度ご賞味あれ!