ダンクルオステウス(Dunkleosteus)は、古生代・デボン紀後期に生息していた甲冑魚で、板皮綱節頸目ディニクティス科に属している絶滅巨大魚です。ディニクティス科絶滅魚類は、本主を含めて全12属が発見されていますが、本種はそのなかでも最大種です。
■ダンクルオステウスの形態
ダンクルオステウスの頭部から肩帯にかけてははまるで甲冑のような硬くて重い装甲板で覆われていました。さらには、強大で強靭な顎を持っていました(ただし歯はない)。この顎の装甲は捕らえた獲物を一撃で噛みちぎるほどの威力を持っていたと考えられており、その噛む力は440~530kgにも到達したと計算されています。
■ダンクルオステウスの生態を再現した動画
こちらが、ダンクルオステウスの生きた泳ぐ姿を再現したCG動画です。その分厚い装甲板のため、動きは鈍重だったと推測されていますが、この時代にはまだ、遊泳力の強く早い動きをする生物がいなかったため、本種は食物連鎖の頂点に君臨できました。
しかし、その繁栄は長続きせず、デボン紀末期に起こった大絶滅によりほとんどの種が絶滅し、続く石炭紀には全ての種類が絶滅しました。これは、より動きの速い軟骨魚類の登場による淘汰であったと推測されています。
■ダンクルオステウスの再現図
ダンクルオステウスの実際の表皮の様子などは推測するしかありませんが、いくつかの代表的な再現図を提示しておきます。